サブコン(設備業界)へ入社して営業職に配属となった人、
もしくは就職活動中で業界研究をしようとしている方へ向けた記事です。
この記事を読むことで、サブコンの営業職に関する全体像を把握出来ます。
サブコン(設備業界)とは?
建築工事を総括して請け負うゼネコンから、
設備工事に関する作業を請け負う会社を総じてサブコンと言います。
サブコン(設備業界)は3種類の工種がある
サブコンと言っても大別すると以下の3種類の工種に分けられます。
①空調設備:エアコンなどの空調設備を施工する工種
②衛生設備:トイレなどの水回りの設備を施工する工種
③電気設備:照明などの電気設備を施工する工種
空調設備と衛生設備については受注比率の偏りはあれど、ある程度の規模がある会社であればどちらも施工が可能です。
電気工事は少し特殊で、電気を単独で専門としている会社が多いです。
サブコン営業職の特色
この項目では以下のことについて簡単に説明します。
・顧客の種類
・営業形式(ルート?新規?)
・会社での立場
顧客の種類
サブコンが顧客とする会社は主に以下の4つです。
・施主(建築主):建物のオーナー
・ゼネコン :工事の全体管理をする企業
・官庁 :「国」が発注する工事
・設計事務所 :設計作業を担当する会社
施主(建築主)
建物を新規に建てる会社、または保有している会社の総称。
サブコンが施主から工事を受注する場合は主に改修工事が多い。
改修工事とは建物内の設備をリニューアルする工事です、たとえば空調機の更新等が改修工事に分類されます。
新築物件は施主からゼネコンへ一括発注され、
ゼネコンからサブコンへ発注されるパターンが多いですが、
中には施主からゼネコンとサブコンへ別々に発注される分離発注などもあります。
ゼネコン
ゼネラル・コントラクターの略で、いわゆる総合建設業者のことを指します。
一般的に新規の建物が建設される際は施主からゼネコンへ一括発注され、ゼネコンからサブコンへそれぞれの工種(空調、衛生、電気)が発注されることが多いです。
大体のサブコンはゼネコンからの発注が大きな割合を占めます。サブコンにとってゼネコンは絶対的な顧客と言えるでしょう。
官庁
国の発注機関を指します。
庁舎や大学などの国が管理する建物に関わる工事は官庁からの発注となります。
官庁からの仕事を受注する際は入札案件に参加して落札する必要があります。
主な国の発注機関は以下の通りです。
・国土交通省:合同庁舎、ダム施設など
・文部科学省:国立大学、大学病院など
・厚生労働省:国立病院など
・防衛省:自衛隊施設、米軍施設など
設計事務所
建築物の設計や設計管理、工事管理などを請け負う企業のことを指します。
設計事務所のはおおきく分けて、意匠設計・構造設計・設備設計の分野があります。
サブコンが関係するのは設備設計の設計事務所が主です。
基本的に設計事務所からの直接的な発注はありませんが、サブコンと設計事務所は密接に関係がある顧客です。
営業形式(ルートOR新規)
サブコンの営業形式としては圧倒的にルート営業が多いです。
先ほどの顧客の項目にも記載しましたが、サブコンの主な受注割合はゼネコンが圧倒的です。
その為、今までに取引のあるゼネコンへ継続して営業をするルート営業が主体となります。
基本的に新規の顧客へのアプローチというのは極少数と考えていいと思います。
会社での立場
サブコンにおける営業職のヒエラルキーは正直かなり低いです。
ヒエラルキーを簡単に表すとこんな感じです。
上流階級:工事部
中流階級:設計部
下流階級:営業部
サブコンの営業は他部門からの協力が絶対に必要です。
見積などを作成する為には設計部からの協力が必要ですし、工事を受注した後は工事部へ施工してもらうように依頼しなければなりません。
営業は他部門への依頼が多くなり自然と弱い立場となってしまいます。
サブコンだけでなく建築業界全体に言えることですがこの業界は施工部隊である工事部が居ないと成り立ちませんので、工事部の力が強くなるのは至極当然のことです。
サブコンの営業職を経験してみて思うこと
営業職を経験して思う事を箇条書きで記載します。
・自分の能力だけで受注出来るわけでは無いので達成感が薄い
・受注までにかかる期間が非常に長期的で摩耗する
・社外にも社内にも頭を下げ続けるのがつらい
自分の能力だけで受注出来るわけでは無いので達成感が薄い
サブコンの営業は他部署からの協力をもらうことが大前提です。
受注前に必要な見積作業や図面作成は設計部からの協力が必要ですし、案件を受注した後は施工する為に工事部から協力をもらわなければいけません。
個人で業務を完結できるわけではな無いので案件を受注したとしても達成感が非常に薄いです。
受注までにかかる期間が非常に長期的で摩耗する
サブコンの商売は単純な物の売り買いではありません。
一つの新築工事を受注するために当たり前のように2~3カ月の期間を要します、場合によっては数年かけて対応が必要な案件もあります。
長い時間をかけたにも関わらず、もし案件を受注出来なかった場合は大きな疲労感や徒労感を感じます。
社外にも社内にも頭を下げ続けるのがストレス
社内ヒエラルキーの項目でも説明しましたが、サブコン営業職は社内でかなり肩身が狭い立場です。
仕事をするに当たって常に他部門へ頭を下げ続ける必要があります。
社内からは常に文句を言われますし、社外からは常に無理難題を要求され続ける状態です。
仕事を取ったとしても大手を振って歓迎される分けでもないのでストレスが大きいです。
サブコン営業マンで身に付くスキル
サブコンの営業を経験して身に付くスキルはこんな感じです。
・コミュニケーション力
・プロジェクトのマネージメント力
・世間の動きを把握するセンス
コミュニケーション力
どんな業界でも営業職であれば身に付くスキルですね。
サブコン営業マンはコミュニケーション力の中でも特に「聴く力」がとても高くなります。
セールスマンのような喋りまくるスタイルというよりは、相手から情報を聞き出すスタイルの聞き上手なコミュ力が身に付きますよ。
モノを売りつけるのではなく、相手が欲しているコトを見抜く力がサブコン営業マンには必要です。
プロジェクトのマネージメント力
案件を受注する為には営業が旗振りをして他部門を動かしていくマネージメントが必要になります。
スケジュール管理から部員のモチベーション管理など多くの管理項目があります。
これらのマネージメントをうまくこなした末にやっと案件受注に結び付けるのです。
サブコンの営業マンを数年やっていれば、下手な管理職よりも高いマネージメント力が身に付いてることでしょう。
世間の動きを把握するセンス
サブコン営業をやっていると嫌でも世間の動きに敏感になってきます。
その理由は建設業界は世間の動きに敏感に連動して成り立つ業界だからです。
①あるウィルスの登場で換気機能の重要性が高まりました。
この影響で換気機器導入の改修工事が非常に多く発生。
逆にホテルや商業などの観光に関わる施設の設備投資は大きく減った。
②大型半導体工場が建設。
その波及効果で半導体企業へ納入をしている企業や、部品洗浄を行う工場を持っている企業の
工場増築が発生。
このように建設業界は世間の動きに大きな影響を受けるので、世間の動きをいち早く察知して仕事に繋げるセンスが磨かれます。
サブコン営業職への転職はアリ?
こんな人はサブコン営業職への転職アリです↓
・大きな金額の案件を扱いたい
・チームで協力してプロジェクトを進めたい
サブコンが取り扱う案件は時には何十億という金額に達します。
大きな金額をチームで協力して受注に向けて働きたい人はサブコン営業が向いているので、転職はアリです。◎
まずは転職サイトに登録してみてはいかがでしょうか?
おすすめの書籍
サブコン営業マンにおすすめの書籍を紹介。
知識をつける為に一冊は持っておいて間違いありませんよ◎
私も新入社員の時はこの本で色々と勉強しました。
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