建設業界の発注方式について解説(一括、分離、コストオンの違い)

営業職情報(建設業)

建設業界(サブコン業界)における請負形態や発注方式について解説します。
(一括発注、分離発注、コストオン発注の違い)

併せてサブコン営業マンが目指すべき発注方式についても述べます。

営業部に配属されて一番最初に躓くのはこの契約形態の煩雑さだと思いますので、この記事を読んで頂いて全体像を把握してもらえれば幸いです。

請負形態の種類

請負形態は下記の2つに分類されます。

・元請:施主(建築主)から直接発注を請ける形式

・下請:ゼネコン等の元請業者から請負う形式

それぞれ概要を説明します。

元請について

施主(建築主)から直接発注を請ける形式。

主に改修工事などを請負う際に元請となる場合が多い。

 

下請について

ゼネコン等の元請業者から請負う形式。

新築工事などの大型工事に関しては、ゼネコンの下請けとして発注されることが多い。

最も割合が大きい請負形態。

発注方式の種類

発注方式は下記の2つに分類されます。

・一括発注

・分離発注

・コストオン発注

それぞれ概要を説明します。

一括発注について

【特徴】

施主からゼネコンへ工事全体を一括発注され、ゼネコンから空調設備工事・衛生設備工事・電気設備工事などの各サブコンへそれぞれ発注される形式。

一括発注における施主側のメリットデメリットはこちら。

【施主側のメリット】

工事管理を一括してゼネコンへ委託するので、管理の負担が圧倒的に少ない

【施主側のデメリット】

各工種の見積がゼネコンに集約されるのでコスト面で不明瞭な部分が出てくる

一括発注におけるサブコン側のメリットデメリットはこちら。 

【サブコン側のメリット】

工程管理等を一括してゼネコンが取りまとめてくれる

【サブコン側のデメリット】

見積金額についてゼネコンからの厳しい金額交渉を受ける

 

分離発注について

【特徴】

施主からゼネコンへ一括で発注されるのではなく、それぞれの会社へ分離して発注される形式。

分離発注における施主側のメリットデメリットはこちら。

【施主側のメリット】

施主と各会社が直接見積のやり取りをすることでコストの透明性が高い

【施主側のデメリット】

コスト管理から施工面での管理などを各社とやり取りしなければならず、非常に専門的な知識を要求される

専門分野の担当者が居なければ実現は難しい発注形態

分離発注におけるサブコン側のメリットデメリットはこちら。

【サブコン側のメリット】

施主との金額交渉になるので不当な金額交渉が少なくなる

【サブコン側のデメリット】

ゼネコン主体の建設現場において工程管理を各社が行う必要があり、サブコンにとっては非常に不利な状況になりやすい

コストオン発注について

【特徴】

施主が専門工事業者を指定し工事金額を取決め、統括管理費用を上乗せしてゼネコンと工事契約をする形式。

コストオン発注における施主側のメリットデメリットはこちら

【施主側のメリット】

施主と各会社が直接見積のやり取りをすることでコストの透明性が高く、管理に関してはゼネコンへ一括依頼することが出来る

一括発注と分離発注の良いとこどりのような発注方式

【施主側のデメリット】

専門工事業者を指定業者にした場合は競争原理が働かないのでコストが高止まりする可能性有り

コストオン発注におけるサブコン側のメリットデメリットはこちら。 

【サブコン側のメリット】

施主との金額交渉になるので不当な金額交渉が少なくなる

【サブコン側のデメリット】

特に無し

サブコンの営業マンとしてはどの発注方式を目指すべきか

目指すべきはコストオン発注もしくは分離発注が望ましいです。

理由としてはゼネコンからの厳しい金額交渉を避けて、施主との直接の金額交渉によって適正な益を確保した状態で工事を受注出来る可能性が高い為です。

コストオン発注や分離発注を目指すには施主に対する営業が必須です、いわゆる川上営業が出来るような戦略を立てる必要があります。

しかし令和の今も尚ゼネコン一括発注が大部分を占めています、コストオン発注や分離発注へ持っていくのは難しいという現実を理解してきましょう。

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